久しぶりの更新になりました。
空が高くなって夏の終わりを感じる日も増えましたが、いかがお過ごしでしょうか。
私はというと、3月に歌を発信するためのSNSを立ち上げたものの、なかなか更新できずにいました。
というのも、カバー動画のレコーディングを始めた直後に妊娠していることがわかり、体調を最優先にできることをやりながらこの数ヶ月を過ごしていました。
(もし「おめでとう!」と連絡をくれようとしてくれている人がいるとしたら、そのありがたい言葉は出産報告まで取っておいていただけると嬉しいです。理由はこの後、書きますね)
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そんなこんなでガラリと変わった生活。
初めてのことばかりで、もちろん戸惑いもあったけれど、感じたことのない喜びと知らなかった自分の強さや覚悟、あたたかい気持ちに、教えられることばかり。
人生において夢や目標を叶えることがもっとも素晴らしいことだと、生きている意味のようなものだと思っていた私にとって、そんな考えすべてが覆されるような尊い時間でした。
ただ、その一方で生まれつき心臓に持病のある私にとっては、現実と向き合わざるを得ない時間でもありました。
奇跡のように順調に成長していく赤ちゃんと、その誕生と引き換えに失うかもしれない自分の命。最悪の場合、両方を失うかもしれないこと。
どんな母親も出産は命がけ。私だけじゃない。
そうわかっていても、やっぱり健康な人の出産と比べると、同じだと思うことはできなくて。
先生から夫と両親への話の場を設けるように言われて、あらためてハイリスク出産であることを告げられたときは、昔を思い出し「なんでまた私ばかり…」と思わずにはいられませんでした。
気持ちの整理もなかなかつかず、1ヶ月半ほどは誰とも連絡もとれないまま。友達の日常やその子どもの成長を見るのも辛く、SNSも削除。
去年建てたばかりの家にひとり過ごしていると、気づくと涙がこぼれる。昨日まであたりまえに過ごしていた部屋なのに、数ヶ月後、私はここにいないかもしれない。夫とあれこれ相談して選んだテーブルもソファも、窓越しに見える空も、なんてことない景色すべてがとても大切だったんだと、この生活を失いたくないと心から思っては、涙を流すことしかできませんでした。
小さい頃から持病を理由に行動を制限されることは多かったこともあり、”みんなと同じ普通”を諦めるのも我慢するのも慣れていたと思ってた。だから、生きてさえいられたら、それ以上はとても贅沢で幸運なことだと思って生きてきた。
でも、今回は違う。子どもの誕生を願えば、それすらも叶わない。
「神様はいじわるだなあ」
そのくらいしか、自分を慰める言葉は見当らなかった。
何をどう捉えて結論付ければ、気持ちの整理がつくのか。わからないまま時間がすぎて。誰にも話せないことが追い込まれる気持ちに拍車をかけていく。
でも不思議と、妊娠を後悔することは一度もありませんでした。
それ以上に素晴らしいことだと心から思えたし、家族になりたいと思えるほど安心できる居場所をくれた夫への感謝、そして私たちのもとに来てくれた赤ちゃんへのありがとうの気持ち、それだけでした。
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この数ヶ月で感じた喪失感はとても大きなものだったけれど、自分の視点で生きる感覚を取り戻せた期間でもありました。妊娠する前は、自分の意思で生きているようで、どうしても人からどう思われるかが大きな指標になっていたから。
評価してもらえるか、需要があるのか、仕事になるのかどうか。でも、これまで心を覆っていたそれらは、未来には役に立ってくれない。あと数ヶ月しか時間が残されていないかもしれないと思うと、そんな考えこそ、すごく贅沢なことだったんだと気づくことができました。
このまま人生を終えるのはいやだ。
誰の役に立たなくたっていい。何につながらなくてもいい。
書きたいことを書こう。
感じた気持ちを文字にして残しておこう。
欲張りになっていた自分を手放せたことで、こんなにも身軽になれるんだと気付きました。
それに気づけただけで、見える景色は明るく、生きている意味があると思えたし、満たされていくような気がした。状況は何も変わらないけれど、こんな感情を教えてくれた我が子に、心から感謝しています。
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予定日は2023年11月12日。
あと2ヶ月半ほどとなりました。
無事に3人での生活が始まることを祈りながら、大切に毎日を過ごしていきたいと思います。
まだまだ暑い日が続くようですが、みなさんも体に気をつけて素晴らしい日々を。
ツキナガユイカ